「オレの目の前に、客を連れてこい!大抵は、受注を決めてやるからよ」と立ち飲み屋で営業部長風の男性が、部下らしき数人に話しているのを見かけたことがあります。今の日本は、高度経済成長期と異なり、「目の前」に客を集められません。。モノやサービスの供給過多となった日本には、どれだけ良い商品を作っても、目の前に顧客がいないのが実態です。「目の前に客(見込み客)を集まてくる」ことが、マーケティング活動となります。
私がZoho CRMやマーケティング自動化ソフトの導入支援でよく見かけるのが、マーケティングが営業活動の一部という位置付けです。またホームページを中心としたマーケティング活動を強調しているような小規模事業では、「マーケティング活動≠営業活動」と認識している節があります。ただ、これらの目的と役割は大きく異なります。
基本的に中小企業が考える優良顧客は、「今すぐ買う顧客」です。私が電話営業を受けた時、「2年後に検討したいと思います」と言えば、もう二度とかかってきません。「今すぐ買う顧客」を優良顧客と位置づけて、営業を一気にしかけるのですが、そういう顧客は、他の商品も見ていたり、確実に競合比較をしています。そのため、売りたいと思えば思うほど、値下げ交渉が始まり、確実に利益が下がっていきます。さらに競合比較で、負けてしまうと、それまでの営業費用も回収することさえできなくなります。
要するに、現在の営業活動は、「今すぐ買う(だろう)顧客」を見つけ出し、値下げ交渉をしかけられ、競合比較で負けると費用高で終わってしまう、勝つか負けるかわからない「ギャンブル色」が強くなっているように思います。